お知らせ
2015年6月29日(月)|第137回 定例講演会「川と海の窒素・リン・有機物(COD)」開催
平成26年3月、議員立法で、水の法律を統括する「水循環基本法」が成立した。水循環を旗印に、これから我が国の水に関する法律の見直し、新たな法律の制定、霞が関における水行政の改革が始まる。平成27年1月には流域別下水道整備総合計画において、『流総大改革』と称した計画策定の「指針と解説」が策定された。これに関連する「食と下水道の連携 ~BISTRO下水道~」もはじまり、地先のノリ養殖場に冬季には栄養塩を供給するような下水処理場の運転も可能となった。また、平成27年2月には、瀬戸内海環境保全基本計画の変更が閣議決定され、ここでは従来の「水質保全」から、「豊かな海」を目指す施策の色合いが強く出されている。これら一連の動きは、陸域から海域への窒素・リンなどの物質循環についての考え方が劇的に変わりつつあることを示している。この百年から数十年の間に得られた水質データをもとに、川から海への窒素・リンの流れと水圏の有機物(COD)について生物地球科学の面から整理した。
2014年9月22日(月)|第130回 定例講演会「都市における水辺の生態系再生 -大阪の海と川のエコロジー-」開催
都市に近接する閉鎖的な内湾では、人間活動・産業活動の影響で生態系の劣化の著しい時期がありました。今も大都市の港湾海域の一部には夏季の底層水が無酸素になってしまう水域が存在します。都市における人と自然との共存・共生は可能なのでしょうか? 都市には都市なりの自然再生の方法があり、大阪湾や東京湾にハワイの海を求めるのは過剰な要求でしょう。本日は川から海までの流域圏を意識し、(1) 大阪湾の水環境と漁業、(2)Coastal oasisとしての浅場や干潟、(3) 都市河川の生態系再生の試みについて情報提供します。