水環境
2014年9月22日(月)|第130回 定例講演会「都市における水辺の生態系再生 -大阪の海と川のエコロジー-」開催
都市に近接する閉鎖的な内湾では、人間活動・産業活動の影響で生態系の劣化の著しい時期がありました。今も大都市の港湾海域の一部には夏季の底層水が無酸素になってしまう水域が存在します。都市における人と自然との共存・共生は可能なのでしょうか? 都市には都市なりの自然再生の方法があり、大阪湾や東京湾にハワイの海を求めるのは過剰な要求でしょう。本日は川から海までの流域圏を意識し、(1) 大阪湾の水環境と漁業、(2)Coastal oasisとしての浅場や干潟、(3) 都市河川の生態系再生の試みについて情報提供します。
2009年7月6日(月)|第92回 定例講演会「豊かな内湾再生を目指して」開催
現在、水産物の需要増大と水産資源争奪が世界的規模で激化しています。また、乱獲や環境悪化によりこのまま推移すれば21世紀半ばには世界の漁業は消滅するという衝撃的な報告もあり、海洋や漁業の未来に熱い視線が注がれています。
愛知県水産試験場の調査海域である伊勢・三河湾は豊かな栄養塩類(各種無機態窒素・リン)を含む厖大な淡水流入と固有の地形的特徴によって、日本の中でも稀に見る高い生物生産性や生物多様性を有している豊饒の海ですが、1970年代に入り赤潮・貧酸素化が急激に進行しその豊かさに翳りがみえるようになってきました。この環境悪化に対して流入負荷削減等の様々な対策が実施されてきていますが残念ながら改善の兆候はあまり見られていません。いったい何が問題なのでしょうか?
最新の研究結果を基に豊かな内湾再生の処方箋を提示したいと思います。