2015年10月26日(月)|第141回 定例講演会「水インフラを核とした未来志向型社会イノベーション」開催
社会が経済的課題、地球環境問題、自然災害など様々な困難に遭遇し、持続可能な社会への転換を模索している。その転換の一手段として、生命の根源である水をターゲットに水インフラを核とした未来志向の社会イノベーションをここに提案する。
そのためには,様々な革新的水インフラ技術を開発し地域社会にスマートな水循環を構築することと同時に,水循環に関わる物質循環を省資源の観点から再構築すること、そしてエネルギー利用の効率化と再生エネルギーの活用などを推進することが重要である。
ここで希求する水インフラを核とした未来志向社会イノベーションはより豊かな自然環境、より安心で安全な水利用、地域産業(農業や水産業などの一次産業を含む)の強化と創出を可能にし、地域創生にも貢献できる。
2015年6月29日(月)|第137回 定例講演会「川と海の窒素・リン・有機物(COD)」開催
平成26年3月、議員立法で、水の法律を統括する「水循環基本法」が成立した。水循環を旗印に、これから我が国の水に関する法律の見直し、新たな法律の制定、霞が関における水行政の改革が始まる。平成27年1月には流域別下水道整備総合計画において、『流総大改革』と称した計画策定の「指針と解説」が策定された。これに関連する「食と下水道の連携 ~BISTRO下水道~」もはじまり、地先のノリ養殖場に冬季には栄養塩を供給するような下水処理場の運転も可能となった。また、平成27年2月には、瀬戸内海環境保全基本計画の変更が閣議決定され、ここでは従来の「水質保全」から、「豊かな海」を目指す施策の色合いが強く出されている。これら一連の動きは、陸域から海域への窒素・リンなどの物質循環についての考え方が劇的に変わりつつあることを示している。この百年から数十年の間に得られた水質データをもとに、川から海への窒素・リンの流れと水圏の有機物(COD)について生物地球科学の面から整理した。